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5年ぶりにほぼ通常規模で 下社で春の遷座祭

2025年2月2日


 諏訪大社下社の春の遷座祭は1日、下諏訪町内で行われた。諏訪大社神職や大総代、御頭郷の茅野市豊平・泉野・玉川地区の氏子ら約200人が長い行列を作り、昨年8月1日の夏の遷座祭以降、秋宮に祭られていた御霊代(みたましろ)を春宮へ遷(うつ)した。新型コロナの影響で、昨年まで行列の規模を半分程度に縮小していたが、2020(令和2)年以来5年ぶりにほぼ通常規模で開いた。
 秋宮で出御の儀などの神事を執り行った後、行列を仕立てて出発。大社通り、友之町、魁町を経て大門通りへ入り、春宮前の下馬橋を御霊代を乗せたみこしだけが渡って、境内に到着。春宮では、春一番に芽吹く神聖な木とされるカワヤナギの枝先を用いた楊柳(ようりゅう)の玉串を、神前に供え、入御の儀を行った。
 下諏訪町内各区氏子会役員ら約70人が白丁姿になり、薙鎌や白旗、錦の御旗、御霊代を納めたみこし、大御正台(おおみしょうだい)などを担いで奉仕。土曜日とあって大勢の氏子や見物客で、沿道はにぎわった。神奈川県から参拝に訪れたというグループは「厳かな雰囲気で心が清められた。きょう来て良かった」と話し、御霊代に手を合わせていた。
 下社遷座祭は、半年ごとに御霊代を春宮と秋宮の間で遷す特殊神事。春の遷座祭は立春前に、田畑の神を里へ迎える原始的な農耕儀式が変化したとの説もある。(写真は、行列を仕立てて厳かに春宮へ向かった)