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「定数減・報酬増」は不採択 市議会改革検討委で採決
2025年2月5日
岡谷市議会(18人)は4日、議員定数と報酬を見直すか公開で議論する議会改革検討委員会の第3回会合を市役所で開いた。「定数減・報酬増」とする正副委員長案を、田村みどり委員長を除く出席16人で採決。過半数の9人が賛成したが、採択に必要な3分の2に届かず不採択となった。
正副委員長案は、1月27日の前回会合で各議員が表明した考えを踏まえてまとめた。「定数減・報酬増」8人、「共に現状維持」7人、「定数減・報酬現状維持」2人で、最も多かった意見を採った。
討論で、前回会合で共に「定数減・報酬現状維持」の立場だった吉田浩議員は「報酬増はなり手不足解消の一助との意見にも一理ある」、花岡健一郎議員は「(定数削減を掲げる自身の)公約や、なり手不足の対応などを総合的に考えた」とし、正副委員長案に賛成。山崎仁、丸山善行の両議員も賛成の立場で意見を述べた。
反対の立場では、宇野香二議員が「定数と報酬は別々に考えるべき」「報酬増のための定数削減はおかしい」などと主張。笠原征三郎議員は「議員間の論議も不十分。定数削減を求める市民の陳情や請願があったわけではない」などと指摘した。酒井和彦、上田澄子、早出すみ子の各議員も反対意見を述べた。
不採択を受けて議会全体では当面、定数と報酬に関する議論はしない方針。ただ、過半数が正副委員長案に賛成し、市民アンケートで回答者の58%が定数削減を支持したことを「重視すべき」と考える議員は少なくない。今後、削減へ議員発議で条例改正案の議会提出を目指す動きが具体化する可能性もある。
取材に、田村委員長は「市民が一緒になって議会の在り方を考えられたことは良かった。検討委としての結論は出たが、今後は各議員がどう動くのかにかかっている」、今井康善議長は「市民と対話を重ねてきたにもかかわらず、何らかの変化を生むことができなかったのは残念だが、ここで終わったわけではない」と話した。
(写真は、正副委員長案を採決した議会改革検討委)