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「立春」の諏訪湖穏やか 観察区切りも「明けの海」宣言先送り
2025年2月4日
凍った諏訪湖の湖面が割れてせり上がる「御神渡り」の認定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市小和田)は「立春」の3日、諏訪市豊田の舟渡川河口で続けてきた総代一同での観察を区切りとした。この日も湖面は氷がなく、無風で波も立たない状態。一方で、週末にかけて到来するとされる「今季最強寒波」に一筋の望みを託し、御神渡りが出現しないことを示す「明けの海(うみ)」の宣言は先送りした。きょう4日以降も有志による観察を継続する。
「小寒」の1月5日から、宮坂清宮司(74)と氏子総代がそろって1カ月続いた583年目の観察はこの日で終了した。開始以降、氷ができたり解けたりしながら一番寒いとされる20日の「大寒」も気温は氷点下とはならず、氷はひとかけらもなかった。23日には7日ぶりに結氷が確認されたが翌日には立ち消え、昨年に続き今季も一度も全面結氷しなかった。
最終日の午前6時半過ぎの現地の水温は3.2度、気温は1.7度、天気は曇り。
終了後の会見で宮坂宮司は、真冬日がなく降雪もほとんどなかった今季について「それぞれに湖、氷と関わり、冷たい風に鼻水を垂らしながら自然の厳しさを感じ、朝日の温もりを覚え、暁のきれいな移ろいを楽しめた。それだけでも観察に来た皆さん、私たちにとっても自然から頂いたご褒美」と振り返り、「災いのない穏やかな年でありますようにと祈りたい。諏訪湖は『いろいろなことを教えてくださっている』と受け止め、慎みある心豊かな生活につながっていきますように」と締めくくった。
(写真は、区切りを迎えた総出での観察。この日も湖面に氷はなかった)