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諏訪史第1巻刊行100年記念展 来月1日から諏訪の7教育文化施設で
2025年1月28日
諏訪6市町村の歴史をまとめた書籍「諏訪史」第1巻の刊行100年を記念した企画展が2月1日(土)、諏訪の7教育文化施設で始まる。縄文〜古墳時代の考古学分野を対象とした同巻に掲載された、石器や土器などの史料を中心に展示。当時、最高水準の地域史・郷土史の専門書であり、地域が郷土の歴史に目を向ける切っかけを生んだ先人の偉業に再び光を当てる。
諏訪史は、諏訪郡市の学校職員でつくる信濃教育会諏訪部会(現諏訪教育会)が、1924(大正13)年に第1巻、86(昭和61)年に最終巻の第5巻を刊行。足かけ60年の大事業で、膨大な編さん作業を担ったのは地元諏訪の教育現場で働く教員たちだったという。
うち第1巻編さんに当たり、地元教員らと共に調査研究に当たったのが人類学者の鳥居龍蔵。鳥居は、当時まだ学生だった八幡一郎(岡谷市出身、考古学者)など諏訪の若い研究者に影響を与えた人物で、一流学者が携わった点からも「教育県信州の熱心な取り組みようが読み取れる」(諏訪市博物館)。
今展では1巻編さんに関連し収集、調査された史料を展示。各施設が時代を分担し、当時と現代の「時代観」の違いを解説する。星ケ塔ミュージアム矢の根や(下諏訪町)は旧石器、富士見町井戸尻考古館と八ケ岳美術館(原村)は縄文、岡谷市岡谷美術考古館は弥生、諏訪市博物館は古墳の各時代、茅野市尖石縄文考古館は尖石遺跡、諏訪教育博物館は同教育会発刊の歴史ハンドブックに関する内容を用意する。
このほか、展示解説や講演会など関連企画を行う施設もある。諏訪市博物館は「100年前の偉業を知り、貴重な遺跡、遺物を守るために調査研究という不断の努力が今後も必要であると認識する機会にしてほしい」と来場を呼びかける。
会期は3月30日(日)まで(諏訪教育博物館は2月3日から、八ケ岳美術館は3月24日まで)。営業時間、入館料は施設ごと異なる。
(写真は、諏訪6市町村の歴史をまとめた「諏訪史」第1巻刊行100年企画展をPRする関係者)