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辰野町沢底の春に「黄信号」

2025年1月25日


 辰野町沢底の春のシンボルとなっている福寿草がピンチだ。今冬は雨、雪が少なく、地表や地中が乾燥している影響か、芽や花が例年に比べて少なめ。「土にある程度の湿気がないと育ちづらい。これからどうなるのか」と憂慮する地域住民もいて、「福寿草の里」に黄信号がともろうとしている。
 最盛期の2月には無数の花が咲き、一面が黄色く彩られる土手の傾斜。例年ならこの時期もあちこちから芽が出たり、花が咲いたりしているというが、24日はぽつぽつ。付近を歩くと、土ぼこりが立った。
 12月1日〜1月23日の辰野の降水量は22㍉。長野地方気象台によると、平年は86.7㍉といい「冬の気圧配置になる日が多く晴れが続いた。平年に比べて25%という数字はかなり少ない」とした。
 自宅近くの土手で福寿草を育てる男性(74)も乾燥を心配している。「晴れる日がことしは多く、雪が少ない。時季になればいつものように咲くとは思うが、このままなら花は少なくなる」と話した。
 週明けの中南信地方は低気圧の影響で、一部の地域で雨、雪が降るが、晴れの日が多いという予報。男性は「2月には『福寿草まつり』が控えている。まつりに向けて、もう少し降ってほしい」と願っていた。
 まつりは2月22日(土)に入村ふれあいセンターで開く。地域住民でつくる実行委員会が主催し、農産物加工品の販売などする。まつりの前後1週間は福寿草の観賞期間とし、5000株とされる区内の福寿草の一部を見てもらう。
(写真は、沢底の土手に咲く福寿草。乾燥の影響か、花は今のところ少なめ)