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故星野和美さんの業績紹介 箕輪町郷土博物館で来月から企画展

2025年1月24日


 箕輪町郷土博物館は2月1日(土)から、企画展「野鳥とともに」を開く。リニューアル開館記念イベントの一環。日本野鳥の会伊那谷支部顧問で、昨年3月に89歳で亡くなった星野和美さん(松島)が残した記録を基に、町内の野鳥に関する情報を剥製や写真などで紹介する。
 星野さんは信州大学農学部勤務の傍ら、野鳥の観察・調査を続け、同館が1979年から萱野高原やながた自然公園で開く探鳥会の講師を40年間務めた。同館専門調査員として開館準備に尽力し、協議会委員としても活躍した。2000年に日本野鳥の会伊那谷支部を設立し、初代支部長に就任。身近な野鳥に関する知識を地域住民に広めた。
 企画展は「地道に取り組んだ調査の業績を多くの人に知ってもらいたい」と、同館が遺族に資料の貸し出しを依頼。探鳥会の観察データをパネルにまとめたり、様子を撮影した写真を複写したりして展示品を準備した。館のリニューアルオープンで倉庫入りの剥製も再登場させ、星野さんが愛用した双眼鏡やカメラ、スコープなどの遺品も並べる。
 剥製はムクドリやフクロウ、トビなど町内で確認できる130種類のうちの36点。星野さんが高校時代に執筆し、信濃教育会刊行の「昭和25年度 高校生の研究集録」に掲載された論文「野鳥乃研究—雀の巣作りより巣立つまで—」や、担当した町誌自然編の原稿もある。企画展に合わせて同館では資料集「野鳥とともに」も作成し、初日から販売する。
 入館無料。2階美術展示室で3月2日(日)までの午前9時〜午後5時。月曜日と祝日の翌日が休館。15日(土)午前10時と午後2時には、学芸員による展示解説もある。同館は「貴重なデータとなる地道な調査の重要性を認識し、町内の野鳥の変化にも気付いてもらえれば。気さくな星野さんの人柄もしのんでほしい」と話している。問い合わせは同館(電0265・79・4860)へ。
(写真は、企画展の準備をする町郷土博物館の職員)