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上社の巨竜、木落しと川越しに挑む

2016年4月4日

再送・前宮一木落し(ブローロード1面)

 諏訪大社御柱祭上社山出し2日目の3日は、見せ場となる木落し・川越し初日を迎えた。砂ぼこりが舞うなか、急斜面から巨木が勇壮に下る木落し、肌を突き刺すような冷たい八ケ岳の清流に水しぶきを上げ、柱を清める川越しに、観衆から大きな拍手と歓声が巻き起こった。
 各柱は前日の泊まり地点から曳行を開始。このうち木落し公園に曳きつけていた本宮一は午前7時55分ころ、綱渡りの神事を行い準備を整えた。
 伸びのある木やりと勇ましいラッパの音を受け、定刻の午前9時、ゆっくりと巨体を動かした。一帯に設置されたスタンド席のような桟敷、対岸河川敷の有料観覧席などで見守る大観衆からは「ウオーッ」と湧き上がる声と驚嘆の声、更に大きな拍手が加わった。
 後続の前宮一、本宮二も昼前までに無事木落しを終えた。ゆったりかつ堂々と落ちる巨木に見物客からは「きれいに落ちたな」「見事なもんだ」との声が上がった。午後からは、前宮二の柱が木落し前のセレモニーをたっぷりと。めどでこ衆の法被の早替わりなど、多彩なパフォーマンスが見物客や氏子を楽しませた。
 一方、川越し場では数千人の観衆が宮川両岸堤防を埋め尽くし、それぞれの柱が大きな水しぶきを上げるごとに周囲から歓声が上がった。先行する本宮一は午後1時40分すぎ、めどを左右に揺らし着水。勢いを付け同2時前に御柱屋敷へ曳きつけた。前宮一は同3時10分ころ川越し、御柱屋敷へと曳きつけ同4時ころ終了。本宮二は同4時すぎに川を越し、同屋敷に到着した。
 後続の4本は前宮二が川越し手前、本宮三が木落しを終えリバーサイド前、前宮三が木落し場、本宮四が木落し上付近、最後尾の前宮四は長峰中学校前でこの日の曳行を終えた。最終日はこれらの柱の木落し、川越しを行いすべての日程が終了する。
(写真はめどてこに鈴なりの氏子を乗せ、木落しに挑む前宮一の御柱)