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「輪島塗」復興を— 「岡谷シルク」絵柄のエコバッグで支援

2024年5月25日


 能登半島地震の被災地を支援するため、岡谷市地域おこし協力隊の渡邉陽子さんが「岡谷シルク」にちなんだ絵柄をあしらったエコバッグの販売を始めた。昨年にノベルティーとして限定配布した3種類を、宮坂製糸所(郷田1)の協力で復活。同施設内の売店やオンラインショップで扱っていて、売り上げの一部は義援金として現地に送る。
 渡邉さんは兵庫県宝塚市出身で、7歳の時に阪神淡路大震災で被災した経験がある。ことしの震災を受けて支援の方法を模索。シルクを生かした岡谷市ならではの商品を登録する「岡谷シルクブランド認証製品」の購入者に配ったエコバッグを販売し、収益を義援金とすることにした。打診を受けた宮坂製糸所が思いに賛同し、販売などを担う。
 バッグは再生コットン製でグレー、赤、生成りの3色。絵柄は蚕や繭、桑、糸を繰る工女、機織りをする職人などを取り入れた3種類で、養蚕から製糸、商品化まで市内で一貫してできることを表現した。版画技法のシルクスクリーンであしらった。大きさは縦37センチ、横30センチ。各100個作り、いずれも税込み1500円。
 義援金はシルクと同じ伝統産業で、震災で打撃を受けた石川県輪島市の「輪島塗」の復興に役立ててもらえる場所へ送る考え。宮坂製糸所役員の髙橋栄子さんは「伝統産業は分業もあり、復活は難しい道のりだと思う」と思いを寄せ、渡邉さんは「関心が冷めないうちに何かしたいという思いがあった。少しでも力になれれば」とする。
 収益は6月ころに一度、義援金として被災地に送る予定。販売は継続する。問い合わせは宮坂製糸所(電0266・22・3116)へ。
(写真は、復活させたエコバッグを手にする渡邉さん㊧と髙橋さん)