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考古展示品初の図録刊行 岡谷美術考古館移転10周年で

2024年5月15日


 岡谷美術考古館は、初の考古展示図録(A4判、カラー32ページ)を刊行した。昨年度に迎えた移転開館10周年に合わせて作製。ほとんどの展示品を掲載したほか、常設展示していない遺物も紹介する。写真だけでなく、出土した時代や遺跡などの解説も載せ、岡谷の考古について学ぶ「入門書」としてまとめた。
 展示する旧石器〜奈良平安時代の考古資料を、新たに撮影したカラー写真100枚余りで紹介。時代や土器、土偶などの品目ごとに、市教育委員会の発掘調査員執筆の解説文も載せた。冒頭では「考古館一番のお宝」という海戸遺跡出土の国重要文化財「顔面把手(とって)付深鉢形土器」を取り上げ、表紙の写真にも採用した。
 収蔵、常設展示する県宝指定の土器19点の写真や、2018年に認定された日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」の市構成文化財についての資料も掲載。市内の発掘調査などに携わった研究者の紹介や、市内の主な遺跡を落とし込んだマップも付けた。
 同館では「出土品だけではなく、時代の背景や特徴などを知ることのできる内容になっている。実物を見た後、図録で理解や想像を広げてほしい」としている。
 税込み1000円。1000部作り、同館と旧林家住宅で販売している。問い合わせは同館(電0266・22・5854)へ。
(写真は、完成した初の図録)