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棚田の情報発信へ 伊那市の山室と宮島酒店が協定

2024年4月24日


 伊那市高遠町の農事組合法人山室と、同市荒井の宮島酒店は23日、「棚田パートナーシップ協定」を結んだ。同市高遠町の「山室の棚田」の情報発信などをする目的で、同組合の大塚治男代表理事(66)と同社の宮島敏社長(62)が調印し、保全活動を推進していくことを確認した。
 同組合は地域の農地を集落で管理、維持継承していくため2005年に発足し、耕作面積は棚田を含め約24ヘクタール。大塚理事は「地域になじむ環境をつくり就農してもらうことが課題」とし「耕地を整備、里山の景観も存続させつつ、いい物を作っていきたい」と話した。
 同社は05年から同組合と栽培契約。無農薬、減農薬の「美山錦」「山恵錦」などの酒米を使い、純米酒を醸造、販売している。すっきりとして、ふくよかで滑らかな味わいという。宮島社長は「棚田は水がきれいで、日当たり、風通しが良い。景観も含め、良い酒をアピールしていきたい」と話した。
 締結式は、県伊那合同庁舎であった。県上伊那地域振興局の立ち会いで結んだ。
 同局によると、21年に農林水産省が全国の優れた棚田を「つなぐ棚田遺産」として認定。全国271地区、県内15地区で上伊那管内では3地区が認定されている。同協定は継続的な保存活動を支援をする目的で、県内では10例目。上伊那管内では2例目となった。
(写真は、協定を結んだ山室の大塚代表理事㊥と宮島酒店の宮島社長㊧)