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紋付きはかまで疾走—伊那市山寺で「やきもち踊り」—
2024年4月16日
伊那市山寺に伝わる県無形文化財「やきもち踊り」が14日、区内の白山社・八幡社合殿で行われた。最後まで境内に残ると厄を負うとされ、酒宴と踊りを3度繰り返した後、踊り手が一斉に境内から逃げる奇祭。大勢の見物人が見守る中、保存会の会員約30人が踊りを奉納し、疾走した。
紋付きはかま姿の踊り手は輪になり、片足を上げて飛び跳ねるユニークな踊りを歌に合わせて披露。前踊り、中踊り、後踊りの3回舞った。間の酒宴では、アユの塩焼きをつまみに特製のどぶろくを飲んだり、刻みたばこをきせるで吸ったりした。
後踊りが終わるや否や、踊り手たちは足袋のまま一目散に鳥居目がけて駆け出した。保存会の柴満喜夫会長(79)は「天候も良く、満開の桜の下で無事に祭りを終え、ほっとしている。世界中が平和で、無病息災の一年になれば」と願っていた。
保存会によると、伊勢参りをした人たちが踊りを習い、例祭で奉納するようになったと伝わる。起源は定かでないが、1782年に祭りを行った記録が残っており、鎌倉時代の末期から続くとする説もある。
(写真は、鳥居を駆け抜ける踊り手たち)