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移動販売で能登支援 震災で町内に移住の夫婦

2024年4月11日


 能登半島地震の被災地、石川県羽咋市に住んでいた遠藤郷二さん(58)と真紀子さん(58)夫婦が辰野町に移り住んだ。震災で家屋は損傷し、なりわいにする移動販売も思うようにできず移住を決断。「復興までまだ時間がかかる。羽咋市から離れたが、支援はしたい」と、石川県を中心とした北陸の特産品を販売し、義援金にする活動をスタートさせる。
 移住の決め手は、町がアピールする「日本のど真ん中」の立地。内陸で津波の影響がないことやネーミングを気に入った。3月上旬に視察で訪れた際、自然の豊かさや町民の温かさにも触れて一念発起。今月から本格的に住み始めた。
 遠藤さん夫婦は、羽咋市内を中心に露店型の移動販売を続けた。これまでは出身の北海道の特産品が主だったが、今後は北陸の海産物の加工品を取り寄せて品ぞろえを豊富にする。石川県などの魅力に触れる機会をつくっていく。
 町商工会に入会し、町内を拠点に活動していく方針。13(土)14(日)両日午前9時から、町荒神山公園の「たつの未来館アラパ」で販売する。以降は町役場の敷地などに出店する。6月に開く「信州辰野ほたる祭り」の会場でも販売する。
 郷二さんは「北陸の特産品も売ることで、まずは身近に感じてほしい。販売を通じて震災の現状も伝えていきたい」とし、真紀子さんは「石川の今は、観光も壊滅的。魅力を知ってもらい、復興後に足を運ぶ切っかけになれば」と期待する。
(写真は、震災の支援に向け移動販売を始める遠藤さん夫婦)