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諏訪湖環境研究センター開所式 知事ら看板お披露目

2024年4月10日


 県は9日、岡谷市長地権現町4の県男女共同参画センターあいとぴあを改修して設置した諏訪湖環境研究センターの開所式を現地で開いた。諏訪地域らしく木やり唄でオープンを喜び合い、阿部守一知事らが看板をお披露目。水環境保全のシンボルにも位置付ける諏訪湖を中心に県内河川、湖沼が抱える課題解決へセンターが機能を発揮していくよう期待を込めた。
 式典には阿部知事をはじめ設置者の県関係者、諏訪6市町村の首長、地元選出の県議らが出席した。
 主催者を代表し、阿部知事はあいさつでセンター設置の背景について「湖周の皆さんの諏訪湖への熱い思いが、県を動かしたと言っても過言ではない」と説明。「ヒシ、しゅんせつ、漁獲高をどう増やすかなど、さまざまな課題を乗り越えていくためには科学的な知見を基にしながら、地域としっかり議論を重ねていくのが重要。諏訪湖を中心に、県内の水環境保全へこれまで以上に力を注いで取り組んでいく」などと決意を示した。
 当初は看板を除幕する予定だったが、悪天候のため阿部知事と髙村典子センター長によるお披露目に変更。河川や湖沼の課題解決、センターの発展などを期待して木やりが響き、出席者も「よいさ」と声を合わせた。
 同センターは、1階にあいとぴあの機能を残して改修。研究機能に重点を置きつつ、関係する情報の発信、住民の学び支援、研究や学びのネットワーク形成へのコーディネートなどを担う。1階エントランスホールやホワイエは「わかる」「つなぐ」「まもる」として各種展示や体験型学習のスペース、2階から上は検査室や機器室、研究室などを備える。
 髙村センター長は同日の式典後、取材に応じ、「改めて身が引き締まる思い」と話すととともに「これまで研究と政策には距離があったが、科学的に分かったことを政策に反映していただけるよう、研究を進めていきたい」などと抱負を述べた。
 センター長を引き受けたことについては「41年間、湖沼やため池の研究を続けてきた。諏訪湖の環境保全に関われるのは光栄であり、すぐに引き受けた」と振り返った。
 研究の環境については「近くに諏訪湖があるのは大きなメリット」と受け止め、「焦らず職員と面談し、新たな研究のシーズ(種)は諏訪湖創生ビジョン推進会議の方々、住民の皆さんから聞いてどう展開できるのかや、研究計画を立てるところから始める。いきなりジャンプはできないので、地道にやっていきたい」などと語った。(写真はセンターの看板がお披露目されると、諏訪地域らしく木やり唄が響いた)