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辰野町とまちづくり会社 町有住宅を賃貸物件に

2024年3月21日


 辰野町地域おこし協力隊の鈴木雄洋さん(32)が代表を務めるまちづくり会社「good hood(グッドフッド)」(下辰野)が、宮木泉水にある町有の旧医師住宅を、移住検討者向けの賃貸戸建て住宅に改修して運用し始めた。町と連携した事業で、公共施設の整備や運営に民間の資金やノウハウを生かす「PFI」の手法を活用。移住検討者の受け入れ機会の損失の解消や町の維持管理コストの削減が狙いにある。
 鈴木さんによると、移住者が移住してすぐに戸建て住宅を購入するのはハードルが高く、多くが賃貸物件を希望しているという。ただ県内にあるのは売買物件ばかりで、賃貸物件は不足している状況。こうした課題の解決に向け、町有の空き住宅の活用を思い付き、昨年10月に同社を設立した。
 旧医師住宅は築48年の木造平屋建ての84平方㍍。改修で洋室と和室各2部屋、ダイニングキッチン、洗面脱衣所、浴室を整備した。DIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)ができる壁や押し入れもある。既に入居者が決まっており、三重県から町に移住する30歳代の夫婦に4月から貸し出す。
 同社は町から10年間、旧医師住宅を借り受け、固定資産税と都市計画税相当額や保険料を支払う契約。改修、運営、維持管理などの事業費用は全て同社が調達する。同社にとっては建物保有のリスクがない、町にとっては維持管理コストがなくなる—と双方に利点がある。
 宮木泉水の旧医師住宅と同様、使われていない古い公有施設は県内に多い。鈴木さんは今回のように賃貸物件に再生させたい考えで「公共の物件はみんなの財産。活用が進むほど自治体が潤い、結果として住民も潤う」と話している。
 町は「官民連携による公共施設の利活用の新たな形。今後のモデルケースになれば」と期待を込める。
(写真は、グッドフッドが旧医師住宅を活用して整備した賃貸戸建て住宅の和室や洋室)