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8号機打ち上げ成功 小型ロケットプロジェクト

2024年3月19日


 岡谷市と信州大学、諏訪地域の企業などによる「SUWA小型ロケットプロジェクト」は17日、8号機の打ち上げ実験を岡谷湖畔公園多目的広場で行った。予定通り、午前10時ちょうどに諏訪湖上空に向けて打ち上げられたロケットは、予想最高到達高度163メートルを約30メートル超えて193メートル(解析値)に達し、プロジェクトリーダーの中山昇信大工学部准教授は「(実験目的の)バルブシステムもしっかり作動した。打ち上げは100%成功」と評価した。
 8号機は全長1・95メートル、直径15センチのガラス繊維強化プラスチック製で、エンジンには固体燃料のポリプロピレンと液体燃料の亜酸化窒素を使うハイブリッド型。バルブシステムは、燃料タンクに注入する液体燃料の流れをバルブで調整することで、飛行中も推力の増減が可能になる。機体の外観は「花笑み」をテーマに、ツツジやアジサイなど諏訪の花の写真をあしらい、「打ち上げを通じて地域に笑顔の輪が広がるように」と願いを込めた。
 打ち上げられたロケットは上空でパラシュートを開いて湖上に着水。先端部と分離した本体を結ぶロープが切れたことで、落下地点が不明だった本体もまもなく発見し回収された。
 実験会場の多目的広場では、立ち入り禁止区域外の土手の上から大勢の市民が打ち上げを見守った。「打ち上げ実験を見るのは初めて」という早出一真市長は、「多くの人が訪れて関心の高さがうかがえる。プロジェクトで培われた技術が、諏訪地域の企業の技術向上につながっていくことを期待している」と話した。
 中山准教授は実験後の取材に「技術は着実に上がっている」とし、個人的な考えとしながら「新年度以降は、(ロケット技術を研究している)他団体とのコラボレーションも考えていきたい。ロケットが大きくなっていくと、一つの団体だけでは難しいことも複数の団体の協力で可能になる」と、更なるプロジェクトの進展に意欲を見せた。
 同日午後にはテクノプラザおかやで報告会があり、先端部と本体に搭載したセンサーの解析結果から、先端部は発射から約7秒後に192メートルに到達し、約25秒後に着水したことが分かった。最高速度は秒速62・08メートル(マッハ0・18)だった。
 中山准教授は「実験目的だったバルブシステムの再現性と、システムの有用性の高さを確認できた」と総括した。(写真は、打ち上げられる8号機=プロジェクト提供)