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貧酸素期間前年より短く 産学官SSS5・0の諏訪湖水質観測

2024年3月15日


 諏訪市と信州大学など産学官でつくる「スワ・スマート・ソサエティ(SSS)5・0」は14日、2023年の諏訪湖水質観測プロジェクトの活動を発表した。6月の大雨や8月の強風により、湖底の貧酸素期間が前年に比べて1カ月ほど短かったという。
 IoT(モノのインターネット)技術を活用したリアルタイムモニタリングで、昨年は3月から12月まで約9カ月間にわたってデータを収集。湖心部と豊田沖に観測装置を設置して、水温や風速、水深5メートルの溶存酸素などを記録した。
 昨年は、6月初めの大雨で酸素を含んだ河川水が流入。高温少雨の夏場は表層と湖底の温度差が生じ、およそ1カ月間、貧酸素状態になったものの、8月上旬の強風で水が混ざり酸素が供給された。
 信州大学理学部の宮原裕一教授は「水温差が広がりやすいお盆の前に強い風が吹き、上下の水が早く混ざり合った」と考察。ただし「毎年違う状況なので、1年2年を比較するのではなく、長く継続して10年20年の変化を見ないといけない」と話した。
 ことしの観測は14日にスタート。新年度に開設される諏訪湖環境研究センターにデータを提供し、一般向けにリアルタイムモニターで表示する予定。ホームページ(https://sss50.harmonia-cloud.com)でも一般公開している。(写真はヨットハーバーで設置準備をする観測装置=14日朝)