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「岡谷味噌」理解深めて 北部中1年が工場見学など郷土の産業学ぶ

2024年3月7日


 岡谷北部中学校1年生77人が6日、「みそ体験やってみそ」と題し、岡谷商工会議所が特産品としてブランド化を目指す「岡谷味噌(みそ)」について学習した。1933年から続く創業約90年の市内のみそ製造会社「松亀味噌」(湖畔1)を工場見学。校内では商議所職員から「岡谷味噌」について学んだり、市内5社のみそを食べ比べたりして、郷土の歴史と産業に理解を深めた。
 キャリア教育の一環。家庭科の授業で「岡谷味噌」について学習したことで、みそ造りのプロから話を聞き、将来について考える切っかけにすることが目的。更に、地域学習としてみそから岡谷の歴史を学ぶことで総合学習の時間につながる体験学習をしようと、同校が醸造会社と商議所に打診し、初めて実現した。
 校内での学習では冒頭で、商議所商業・地域振興課長補佐の清水千大さんが「岡谷味噌」の歴史、認定制度、今後の取り組みなどについて説明。岡谷味噌の発展は製糸業と深い関わりがあることや、1955年ころには市内で県内最多の48社が操業し、全国一の生産量を誇ったことなどを紹介した。更に昨年から市内のみそ製造業者と、みそを使った料理や商品を提供する県内の事業者・飲食店を認定する「岡谷味噌認定制度」を始めたことも説明。「現在市内にあるみそ製造業者は9社で最盛期よりは減っているが、再びみそで岡谷を盛り上げたい」と話した。
 校内での学習には「山万加島屋商店」(中央町3)、「喜多屋醸造店」(天竜町2)、「金元醸造」(塚間町1)の3社が参加し、食べ比べ用に「若宮糀屋」(大栄町2)と見学した「松亀味噌」の2社からも提供があった。生徒たちは3社からそれぞれ店の成り立ちやみそ造りにかける思いなどを聞いて理解を深め、5社のみそ全11種類から気に入った数種類を、家から持参したキュウリやニンジンにつけたり、だしにみそを入れてききみそをして味わった。
 女子生徒(13)は「濃さや柔らかさなどの違いがあった。家で食べているみそや初めて出合うみそがあり、こんなに種類があることは初めて知った。とても勉強になった」と話していた。(写真は、みその食べ比べをする生徒)