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セロリ栽培100周年 JA信州諏訪記念誌作り歴史次世代へ

2024年2月19日


 JA信州諏訪野菜専門委員会セルリー専門部会と同JA、全国農業協同組合連合会県本部は、諏訪地域のセロリ(出荷品名・セルリー)栽培100周年の記念誌を作った。栽培の沿革や生産量の推移などを掲載し、世代を超えて育まれた技術と歴史を次世代に引き継ぐ。
 諏訪地域では1922年、茅野市玉川で故原田与三郎さんが試作を始めた。当初は病害虫の発生で全滅を繰り返したが、26年に初めて出荷が実現。戦時中の栽培禁止指定、疫病の被害などを乗り越え、全国でも有数の産地に成長した。現在は茅野、富士見、原の3市町村に生産者43人がおり、夏季は全国流通量の約9割を占めるという。
 記念誌はA4判72ページ、フルカラーで200部製作した。諏訪地域における栽培の歩み、生産量と単価の推移、栽培品種の変遷、JA信州諏訪野菜品評会の入賞者などを掲載し、生産から出荷までの流れも写真を交えて紹介。本来は昨年に発行予定だったが、新型コロナの影響で1年延期した。
 14日に諏訪市湖岸通りのホテル紅やであった記念式典で完成品をお披露目した。式典には生産者、JA、全農連、販売や輸送業者ら114人が出席。専門部会の百瀬勝彦部会長はあいさつで「病害、燃油高騰、農薬や生産資材の経費上昇の中、生産環境は苦しくなっているが、負けてはいられない。高品質なセルリーを生産し、今後50年、100年後にも日本一の産地として後世に継承できるよう、日々生産に励んでいく」と誓いを新たにした。(写真は諏訪地域での栽培100周年を祝う記念誌)