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下校時の危険回避へ通学路にイルミ 下諏訪向陽高生徒自治会が試行

2024年2月11日


 下諏訪向陽高校の生徒自治会は9日、「向陽坂」と呼ばれる通学路の一部でイルミネーションの試行を始めた。冬の下校時の危険を減らすためだ。安全面の効果が確認できれば、新年度の冬から向陽坂全体の飾り付けも検討する。
 LED(発光ダイオード)で装飾したのは、同校正門から約100メートルにある下諏訪町上水道第三配水池の付近と、約600メートルにある六花フードサービス付近。六花フードサービス前には球体や木のイルミネーションオブジェも設置した。
 飾り付けには生徒自治会の役員6人と担当教諭が参加。約2時間かけてフェンスや植木に取り付けた。日が暮れて色とりどりのLEDが向陽坂を照らし始めると、生徒たちから「明るい」「きれい」などと声が上がった。
 国道20号から約2キロ続く向陽坂には、光量の少ない防犯灯はあるが、交通事故防止用の街路灯はほとんどない。冬季の下校時間帯はほぼ暗闇で、生徒から「怖い」「車とぶつかりかけた」など不安の声が上がっていた。生徒と学校は町に対策を求めてきたが、管理や手続きなどで困難があり、早期の街路灯設置は難しかった。
 学校と町が対策を検討する中、かつて赤砂崎公園のサマーイルミネーションで使っていたLED活用が浮かんだという。町倉庫に眠っていたLEDやオブジェを同校が借り受け、生徒自治会で装飾方法を考えた。
 今回の試行は今月末まで。イルミネーションによる夜道の安全性向上が確認できたら、新年度の冬から向陽坂全体の装飾も検討する。ただ電源の確保と、点灯・消灯など運用の仕組み作りでは、地域住民の協力確保も不可欠になる。
 作業に参加した生徒自治会役員の関範香さん(17)と岩下心結さん(17)は「イルミネーションは気持ちも明るくなる。向陽高の冬の恒例イベントになればうれしい」と話した。
(写真は、青色と白色の光で通学路を照らすイルミネーション)