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「明けの海」宣言 「御神渡り」観察終了

2024年2月5日


 「立春」の4日、諏訪湖の「御神渡り」の認定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市小和田)の宮坂清宮司(73)は、「木々の芽吹きを見て春になったと感じる。現状、海が明けており、今季はこれ以上(御神渡りを)望むことはできない」として「明けの海」を宣言した。「小寒」の1月6日から、宮坂宮司と氏子総代がそろって1カ月続いた582年目の観察はこの日で終了し、17日(土)に同社で営む「注進奉告祭」で神前に正式奉告する。
 宮坂宮司によると、明けの海は記録が残る室町時代の1443(嘉吉3)年から数えて80回目で、平成以降では27回目。宮坂宮司は「昭和60年代以降から令和までに固まっているのが大きな特徴」とし、「世間でいわれる気候変動を考えざるを得ない」と所感を述べ、今季の観察については「風の冷たさはあったが、厳しい寒さはなかった。氷も0.4センチ〜1センチほどの薄氷にとどまり、護岸や水面30〜50メートル沖に広がる程度。波が立つと全て割れ、原点に戻る繰り返しだった」と振り返った。
 観測開始以降、1月20日の「大寒」までは氷ができたり、解けたりの一進一退が続き、21日はこの時期珍しい雨が降った。26日には300メートルほど沖まで広い範囲で薄氷が見られたものの、再び結氷と解氷を繰り返し、全面結氷は一度もなかった。
 最終日の午前6時半過ぎ、観察場所の諏訪市豊田の舟渡川河口付近の気温は氷点下1.3度、水温は2.8度。氷はなく、波立つほど風は強く、雪がちらつく朝だった。大久保一大総代(73)は「冬の諏訪湖に御神渡りがないことが非常に残念の一言。こればかりは人の力でどうこうできない」と肩を落としつつも、「御神渡りがまだできないと決まったわけではない。今後、出現すれば拝観式に臨みたい」とわずかな望みに期待した。
 観察は一区切りとなったが、記録のため、観察総代が今後も湖の状態を見届ける。このほか、関係者へコーヒーの振る舞いを続けた女性(60)=辰野町=に感謝の花束が手渡された。(写真は御神渡りが出現しない「明けの海」を報告する宮坂宮司)