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神仏習合の歴史後世へ 岡谷の平福寺「不動明王立像」修復終える

2024年1月28日


 明治時代の神仏分離に伴い、廃寺となった諏訪神社(現・諏訪大社)の下社春宮別当・観照寺本坊から遷(うつ)されたと考えられている平福寺(岡谷市長地柴宮)の「不動明王立像」が、修復を終えておよそ半年ぶりに同寺に安置された。2022年、かつて諏訪神社と共にあった神宮寺由来の仏像を一斉公開する「諏訪神仏プロジェクト」を通し、仏法紹隆寺(諏訪市四賀)の普賢菩薩(ぼさつ)像も修繕した信濃仏像修復所(千曲市)の長谷川高隆さんとの縁が生まれたことから、小林崇仁住職が依頼。小林住職は「立派なお姿になった」と晴れやかな表情を見せる。
 不動明王立像は高さ36.7センチ、台座と光背を含めると71.7センチあり、一木造りとみられる。小林住職によると仏像は100〜150年に1度の修復を繰り返すものといい、次の時代につなげるためにも以前から、修繕を考えていたという。
 内容は、全体的に彩色の 離などを直して現状の損傷がこれ以上広がらないようにするものと、制作の後に補われたとみられる宝剣、羂索(けんさく)といった持物の復元修理。これまでの修理の痕跡や、時代性にも留意して作業を進めたという。
 26日には、長谷川さんが平福寺を訪れ、小林住職に修理内容を説明するとともに、本堂に安置。長谷川さんは「神仏習合の時代、仏像制作には御神木を使うことがあり、作者の癖の可能性もあるが像には若干ゆがみが見られた」と印象を語り、「時代時代で人々が手をかけ、今こうしてそれが平福寺で守られているというのが尊い」と話した。
 同寺では新年度、秋宮三精寺の本尊だった十一面観音立像(市有形文化財)の修繕も予定する。安置後、読経を終えた小林住職は「また次の時代に(不動明王立像を)バトンタッチできる。これからもしっかり守っていきつつ、多くの方にお参りしてもらえたら」と感謝していた。
(写真は、安置に先立ち、「不動明王立像」を見ながら修繕の内容を話す長谷川さんと小林住職)