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丸々赤紫の羽広菜収穫—信州の伝統野菜が旬—

2023年11月28日


 伊那市西箕輪の羽広地区に古くから伝わる漬け菜「羽広菜」の収穫が進んでいる。2007年に認定された県の「信州の伝統野菜」。地域の畑には丸々とした赤紫色のカブが植わり、農家や生産組合が一つ一つ引っこ抜いたり、余分な葉を切り落としたり、忙しそうに作業に当たっている。
 地元の生産者5人でつくる「羽広菜生産加工組合」は約15㌃でカブ漬け用に栽培する。収穫時期の真っただ中で、27日も組合員が畑を訪ね、慣れた手つきで作業。コンテナは次々にカブでいっぱいになった。
 「去年は大きく育ち過ぎたが、ことしは病気もなく、出来がいい」と西村かほる組合長。漬けるのにちょうどいいという拳ほどのサイズが多く、組合員も満足げ。地域住民も手伝って軽トラックに積み込んだ。
 収穫と並行して漬け込みもしており、カブは同市西箕輪のはびろ農業公園みはらしファーム内の加工施設に運び込んでいる。ことしは約1㌧を漬ける予定で、12月上旬から順次、地域の直売所やスーパーで販売する。
 みそや砂糖などを使った昔ながらの漬物で、毎年人気という。西村組合長は「楽しみにしている人もいるので張り合い。羽広菜のおいしさを伝えられるようにしっかり漬け込み、販売したい」と話していた。
(写真は、コンテナに丸々としたカブがぎっしり詰まる様子)