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山小屋への物資搬送へ 伊那で無人垂直離着陸機のデモ飛行

2023年11月15日


 無人垂直離着陸機(VTOL)で山小屋へ物資を運ぶサービスの構築事業を進める伊那市と川崎重工業(本社・東京都)は14日、伊那スキーリゾート(同市)駐車場で、同社が開発した機体のデモ飛行をした。量産に向けた2機目の実証機で、1機目より貨物搭載能力と標高耐性が向上。今後、飛行実証を行い、2026年度の実用化を目指す。
 天候の影響を受け、パイロット不足の課題もあるヘリコプターに代え、自立飛行の無人VTOLで山小屋へ荷揚げする仕組みをつくる。中央アルプスの西駒山荘、南アルプスの仙丈小屋と塩見小屋への輸送を想定。21年度にスタートし、機体の開発や飛行ルートの検討などを進めてきた。
 お披露目した同社の無人VTOL「K—RACER」の実証機「X2」は、上部のローターが直径7メートル、重さ約400キロ。100キロの荷物をつり下げ、標高3100メートルまで飛ぶことができる。量産機では、200キロの荷物を積んで同じ高度まで上昇できるようにする想定だ。
 X2を実験場以外で飛ばし、一般に公開するのは初めてという。報道陣のほか、市や同社、提携企業、国、県の関係者ら約80人が集まった。同施設の駐車場は西駒山荘までの輸送拠点の候補の一つで、地上約20メートルまで上昇して飛行した。
 デモ飛行に先立って会見した白鳥孝市長は「山小屋だけでなく、離島や山奥の工事現場への物資輸送などさまざまな活用が期待される」とあいさつ。同社の社長直轄プロジェクト本部長の松田義基執行役員は、事業の進行状況を説明しつつ「今後も実用化に向けてまい進する」とした。
 事業は、25年度までの5年間。市の委託を受けた同社が機体システムの開発などを担うほか、代表企業として運行管理システムの開発や飛行ルートの構築などを支援する提携企業を取りまとめる。(写真はデモ飛行を終えた機体の前で話す白鳥市長と松田執行役員)