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江戸時代に思いはせ—諏訪家墓所で5年ぶり見学会—

2023年11月5日


 諏訪市教育委員会は4日、現地見学会「高島藩主諏訪家墓所(国史跡)&温泉寺を訪ねよう!」を開いた。2018年に開いて以来5年ぶり。約20人の市民が集まり、江戸時代に諏訪の地を治めた藩主たちへ思いをはせた。
 見学会は国史跡指定に絡めて17年5月、翌18年5月に実施している。今回は5日(日)まで市博物館で開く指定文化財展「未来に伝えよう諏訪市の文化財—上諏訪編—」に合わせて企画した。
 墓所は17年2月、初代頼水とその両親が眠る茅野市ちの上原の頼岳寺と合わせて約1495平方、㍍が国史跡の指定を受けた。墓所には上段に2代忠恒から8代忠恕までの歴代藩主の墓標、中段には側室や子の墓がある。各藩主の墓標正面から参道と石階段が伸び(一部消失)、両脇に108基の石灯籠が並ぶ。
 説明に当たった市教育委員会生涯学習課の中島透生涯学習係長は「墓の形は全国でも例を見ないもの。全国的には大名の墓は30近くあり、多くが名門の大名として知られている」などと解説。2代忠恒の墓には金泥が施されていて、現在は、仮御霊屋で保護している。「部材は保存してあるので、将来的には復元する予定」とした。
 市教委は一帯の保存活用計画をほぼ固め、6月には「国史跡高島藩主諏訪家墓所整備基本計画策定委員会」を立ちあげて基本的な整備の在り方に向けて意見聴取を進めている。25年度以降に整備計画を策定、27年度から工事を実施する予定なども示した。
 徳川家康や伊達正宗らが好きな小学生は母親と一緒に参加し、「初めて来た。金の文字にびっくりした。高島藩のお殿様はやさしい人だったのかな」と感想を話していた。
(写真は、5年ぶりに開かれた見学会)