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100周年と駅舎完成祝う 地元の大事な駅今後も親しんで

2023年10月30日


 JR川岸駅の開業100周年と新駅舎完成を祝うイベントが29日、岡谷市の同駅と駅前広場で開かれた。地元の鮎沢、駒沢区民をはじめ、鉄道愛好者ら400人余が見守る中、関係者がテープカットを行い、100周年と新駅舎完成を祝った。セレモニーに続いて、太鼓演奏や長持のお練りなどのイベントがにぎやかに行われ、祝賀に花を添えた。
 主催者を代表し、JR東日本執行役員長野支社長の松橋賢一さんが「地元の請願駅として1923年に誕生した川岸駅が皆さんに支えられて100年を迎えることができた」と感謝し、「新駅舎はコンパクトでより使いやすい。今まで以上のご愛顧を」と呼びかけた。早出一真市長、川岸駅舎建て替えに伴うイベント実行委員会の鮎澤要一委員長らが祝辞を寄せた。
 関係者のテープカットで新駅舎の完成を祝った後は、ホームに移動して同駅午前9時50分発の豊橋行き列車を見送った。
 セレモニーを見守った長地権現町の80歳代夫妻は「妻の父がこの駅から出征して行った」と感慨深げ。地元の鮎沢に住む男性(86)は「汽車から電車に変わる中で駅を利用していたので、旧駅舎には思い出が詰まっていた。建て替えは時代の流れだが、地元にとって駅はとても大事なもの」と話した。
 新駅舎は県産木材を使った木造平屋建て約37平方メートル。「駅舎の歴史を未来へ引き継いでいく」ことをコンセプトに、屋根の色は旧駅舎と同じ青緑色を採用し、地元に長年親しまれた歴史ある建物の面影が感じられるデザインになっている。待合室には旧駅舎の柱などに使われていた木材を再利用し、旧駅舎の外観写真を焼き付けた飾りを設けた。室内には地域住民が活用できる展示コーナーもある。(写真は、100周年と新駅舎完成を祝いテープカット)