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町議の当選無効に 県選管が裁決

2023年10月27日

 4月23日投開票の辰野町議選で当選した本多慶司氏(45)=無所属=について町での居住実態が確認できない—として、次点で落選した樋口博美氏(65)=川島=が審理の申し立てをした問題で、県選挙管理委員会は26日、町選管の決定を取り消し当選を無効とする裁決をした。被選挙権の要件である町での3カ月以上の居住が認められなかった。
 本多氏を巡っては、4月に川島の住民から当選無効を求める異議申し出があった。受理した町選管は、町の住民票上の住所地には居住せず、町内のホテルでの宿泊を基盤としていたと指摘。調査により社長を務める会社の業務のため東京都内のホテルでも寝泊まりしていたが、3カ月のうち25日間は町内のホテルに宿泊していたことを確認した。町産の農産物を会社が経営する首都圏の飲食店で販売していたことから経済生活の基盤は町にあった—とし、異議申し出を棄却した。 
 県選管も、町の住民票上の住所地には居住していないことを認めた上で、普段は都内の自宅マンションで生活していたとする。調査によって3カ月のうち54日間は自宅マンション、21日間は町内のホテルで生活し、残る日は都内のオフィスで過ごすなどしていたことが判明し、生活拠点は町内ではなく自宅マンションと結論づけた。
 本多氏は取材に「今後、書面でコメントを出したい」と答えた。
 樋口氏は町選管が異議申し出を棄却したのを不服として県選管に審査の申し立てをした。取材に「選挙の結果に関わらず申し立てをするつもりだった。主張が認められてうれしい」とした。
 公職選挙法は県選管の裁決に不服がある場合は、30日以内に高等裁判所に訴訟を提起することができる—としている。町選管は裁決が確定した場合、繰り上げ当選させるかは選挙会を開いて決めるとしている。