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熱い舞台で観客魅了 「天翔ける蛍」3年越しのフィナーレ

2023年10月23日


 辰野町にゆかりのある平安時代の武将樋口次郎兼光を題材にした住民参加型創作劇「天翔(あまか)ける蛍」の完結編となる第3章が21、22両日、川島の瑞光寺で上演された。信濃源氏の武将木曽(源)義仲に忠誠を誓い、国や民の平穏のために戦った兼光。その雄姿を出演者たちが熱演で伝え、3年越しで紡いできた物語が感動のフィナーレを迎えた。
 義仲軍が平家の大軍を破った倶利伽羅(くりから)峠の戦い(1183年)以降の出来事を伝え、京への進軍、都の治安回復に向けた活躍、後白河法皇との対立、義仲が惨敗した宇治川の戦い(84年)、居を構えたとされる樋口に思いをはせつつ散った兼光の姿を描いた。ラストシーンでは現代を生きる少女たちの前に兼光が現れ、メッセージを伝えた。
 出演者は町内外の約30人で8月から本格的な稽古を積んできた。ユーモアあるせりふに歌やダンスを織り交ぜながら物語を進め、観客を引き込んだ。終盤の義仲と兼光の最期のシーンは迫真の演技で、思わず涙を流す観客も。栃木県佐野市から鑑賞に訪れた男性は「演技が素晴らしく泣いてしまった。とても面白かったです」と話した。
 劇は、町民有志らでつくる「寺子屋シアタープロジェクト実行委員会」が企画。第1章は2021年、第2章は22年に上演した。3年間、脚本と演出を担当し演技指導もしたNPO法人劇空間夢幻工房(長野市)の青木由里さんは「辰野で生まれた演劇の芽がまた芽吹いて花開くことや、再び辰野で舞台をつくれることを楽しみにしている」。垣内彰実行委員長は「演劇を通じて多くの人が辰野に関心を寄せ、関係人口の増加につながってほしい」と期待した。
(写真は、兼光の生き様を伝えた「天翔ける蛍」の完結編)