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江戸の献立給食で提供 伊那市教委が高遠3小中学校で

2023年10月11日


 伊那市教育委員会は10日、江戸時代に日本全国の実測地図を作った伊能忠敬(1745〜1818年)が高遠藩領を訪れた時に食べた献立を再現した「江戸めし給食」を同市高遠町の3小中学校で提供した。食べる体験を通じ、郷土の歴史に関心を持ってもらおうと、市地域おこし協力隊の前田和弘さん(47)さんが企画。児童生徒は、当時の食や忠敬の功績に思いをはせながら味わった。
 市が進める古文書のデジタル化と活用を業務に、前田さんは4月に着任。1811(文化8)年に忠敬の測量隊が高遠藩領を来訪した際の記録が古文書で残っていると知り、出された食事の再現を思い付いた。記されていたのは材料だけだったため、同期の協力隊員で日本料理の板前でもある川井涼子さん(29)や高遠中管理栄養士の協力で給食化した。
 献立は▽菜飯▽鮭(さけ)の幽庵(ゆうあん)焼き▽野菜の酢味噌(みそ)あえ▽南瓜(なんきん)すいとん—の4品。文献を参考にして、江戸時代にあった料理とした。古文書に書かれていた材料を主に、調味料も当時からあるしょうゆ、みそなどを使用。子どもが食べやすい味付けも意識した。        
 この日、高遠中と高遠、高遠北両小の計約360人が味わった。同中1年2組(20人)では、お代わりする様子も。生徒の一人は「全部おいしいけれど、特に菜飯が好き。味は今(の料理)とあまり変わらない」とし、「高遠のことをもっと知って歴史に詳しくなりたいと思った」と話していた。
 協力隊員の2人は、同中の様子を見て「おいしそうで安心した」。前田さんは「高遠という歴史ある街は、掘り起こすと面白いものが出てくる。企画の中で自分もいろいろ学んだので、子どもたちにも切っかけになると思う」と期待していた。(写真は提供された江戸めし給食)