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赴任経験生かしブルンジ舞台に 水野隆幸さん小説出版

2023年9月23日

HP水野さんの小説
 辰野町新町の水野隆幸さん(77)が書いた小説「背高のっぽのパパイヤとオズワルドの月」が、文芸社(東京)から出版された。青年海外協力隊員やJICA(国際協力事業団)派遣の専門家などとして、アフリカ、中東の延べ6カ国で12年間にわたった海外生活の体験を生かし、自分や家族、現地の人たちをモデルとしたドキュメンタリー調のフィクション。「楽しんで読んでもらえれば」としている。
 水野さんは名古屋市生まれ。北海道大学工学部を卒業後、東京電力に4年間勤務。「敷かれたレールの上でなく、思うように生きてみたい」と会社を退職、青年海外協力隊員としてアフリカ・モロッコに2年間派遣されたのを皮切りに、国際協力に関わる仕事のため、同じアフリカのスーダン、ジブチ、中東のヨルダンなどで暮らした。
 小説の舞台にしたのは、4カ国目の赴任地として1993年1月から約9カ月間を過ごした中央アフリカの小国ブルンジ。自らと妻の順子さんをNGO(非政府組織)の海外駐在員である「立山夫妻」とし、自宅屋敷の警備人として働いた青年オズワルドや運転手のプラザ、家主のマリー夫人、隣人の大佐ら実在の人物を登場させた。
 描いたのは「世界最貧国」ともされる国の市民生活や、日本では考えられない出来事、不安定な国の政情など。駐在当時の体験などを基にしながら脚色や創作で物語を展開させた。実際に起きた93年のクーデターについては、報告用に残していた記録に基づいて事実を軸に記述。自宅まで聞こえる銃声や関係機関とのやり取り、航空機での緊急出国など緊迫感があふれている。
 水野さんは「小説はエンターテインメントなので好きなように読んでもらえればいい」としつつ、「アフリカに関心を持ち、素朴な人間性が魅力的な現地の人たちの生きざまや思いを知る一助になればうれしい」と話している。547㌻で、2200円(税別)。
(写真は、初の著作「背高のっぽのパパイヤとオズワルドの月」を手にする水野さん)