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高遠石工の石仏光る あす、23日建福寺で

2023年9月21日

石仏
 伊那市高遠町の建福寺で22(金)23(土=祝日)両日、高遠藩領を拠点に全国で活躍した石材加工職人「高遠石工」の残した石仏がライトアップされる。門前には同市の特産品「経木」で子どもらが作った灯籠も並べ、柔らかな光で作品の表情を浮かび上がらせる。
 ライトアップは、高遠石工研究センターが毎年春と秋に企画。同寺には高遠石工の名工、守屋貞治が残した作品43体をはじめとする石仏が安置されている。市観光協会は秋の点灯に合わせて昨年、経木の灯籠の展示を始めて2回目になる。
 この2日間、貞治の最高傑作とされる江戸後期の「西国三十三所観世音菩薩(ぼさつ)」などを照らす。仏像の表情が見えるように、安置する覆屋(おおいや)の格子は取り外す。初日は午後6時ころ、2日目は5時ころから点灯し、いずれも9時まで。
 灯籠は、木を紙のように薄く削った経木を丸めた円柱状。内側には仏像などを描いたトレーシングペーパーが貼られていて、炎の揺らぎを表現するLEDライトを中に入れてともす。高遠地区の小学生や市内外の親子らが作った約130個を、門前の階段両脇を中心に並べる。点灯は両日ともライトアップと同時で、午後8時まで。
 市観光協会は「高遠地区以外の地元の人の中には、石仏について知らない人もいる。現地に来て本物の石仏に触れ、奥深さや魅力を感じる機会にしてほしい」としている。
 初日の午後6時からは、灯籠を作った人を招待して点灯式を開く。問い合わせは市観光協会(電0265・96・8100)へ。