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勾玉など115年ぶり「里帰り」に合わせ 天王垣外遺跡訪ねまち歩き

2023年9月4日

うえぶ街歩き
 岡谷商工会議所は3日、まち歩き事業「おかやるく」の特別編「お帰りお宝記念 天王垣外遺跡へ行こう!」を岡谷美術考古館を発着点に開いた。現在の中央通りに当たる村道の開削に当たって発掘され、以降は東京国立博物館に収蔵されてきた勾玉(まがたま)、管玉類が同館の特別企画展として115年ぶりに「里帰り」したことに合わせて計画。市内外からの参加者が展示を見た後、実際に出土したと考えられる場所まで足を延ばし、現地の様子から遠い昔の時代に思いをはせた。
 ガイドは、岡谷の始まりの地や歴史に関わる場所を訪ねる同事業の人気コース「OKAYA BEGINNING」などでも案内役を務める坂間雄司さん。天王垣外をはじめ、重文の「顔面把手(とって)付深鉢形土器」が出土した海戸、丸山の各遺跡、道中では製糸に関わる建造物や看板建築なども案内した。
 坂間さんはまず館内で、勾玉や管玉類が一度に「400点近く出たのは、県内では天王垣外だけ」と説明。玉類を製作する玉作(たまつくり)遺跡、各地から集めた—などのことが考えられるが、「いずれにしても、これだけの数を集められる(権力がある)人がいたのは確実」などと解説した。
 一行は丸山、海戸、天王垣外の順に現地へ。坂間さんは「出土地によっては、現在は高速道路になっているなど歩いて入れない場所もある。それでも当時は盛り上がったのでは」と紹介。天王垣外については市史や、諏訪市出身の考古学者・藤森栄一が専門誌に寄稿した文や、図示した場所などを基に、世間でいわれてきた場所より更にJR岡谷駅側の場所を示し「いずれにしても、しょっちゅう通っている所。何もないのだけれど、ここから出たと聞けば特別な思いがする」とした。
 諏訪市から参加した伊藤敏文さん(73)は「展示品を見てから、こうして出土したであろう場所を訪ねることで、腑(ふ)に落ちる。より理解が深まった」と話していた。
 同事業は10日(日)も同じ内容で計画し、既に定員に達ししたため募集は締め切った。
(写真は、天王垣外遺跡の玉類が出土したと考えられる場所を案内する坂間さん=現在の中央通りで)