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懐かしい光景人形で 高橋まゆみさん展示原田泰治美術館で始まる

2023年9月1日

高橋まゆみ 
 開館25周年を記念し、飯山市の創作人形作家、高橋まゆみさん(67)の作品展が8月31日、諏訪市渋崎の市原田泰治美術館で始まった。2017年以来、3回目の企画展。姿を消していこうとする光景を82体の人形で再現、会場はほっこりしたぬくもりにあふれる。11月26日(日)まで。
 高橋さんの人形展は、13年の開館15周年企画展で初めて開いた。同展開催中に制作し、寄贈した原田さんと名誉館長のさだまさしさんを主役にした「原田さんさださん」も今展に登場し、亡き原田さんをしのぶ。
 会場には、2体から10体ほどの群像で構成する28作品が並ぶ。園児と保育士がさまざまなポーズで和みを表現する「遠足」、大根やニンジン、サツマ芋、ジャガ芋の袋を手に満足そうな「収穫」など。どの作品にも物語があり、来館者はそれぞれの場面を自分と重ね合わせている。
 「おふろの時間」やこたつに家族で暖まる「粉雪」は原田さんが同じ場面を描いた「湯治場」「アマハゲ」を各作品のそばに飾り、コラボレーションを演出した。
 高橋さんが人形作りを始めたのは1983年。2010年に全国95会場を巡った巡回展には180万人を動員し、知名度を高めた。「人形の衣装は全て古着。風化してよれよれになったものに魅力を感じる」と話す。「趣味から入った私を原田さんは応援してくれた。顔のない絵を描く原田さんとは表現方法は違うが、参考になる作品はたくさんある」と振り返った。
 10月14日(土)には、トークショーとサイン会を同館で企画する。
 特別企画展「原田泰治 一本の道ふるさとから世界へ」も併設し、来年4月7日(日)まで開く。初期のイラスト、デザインから2017年までの絵画作品など56点を紹介する。(写真は同館では3回目の作品展を開いた高橋さん)