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10月諏訪舞台の文楽 人形浄瑠璃上演・太鼓演奏・対談など

2023年8月30日

文楽
 一般社団法人大昔調査会(諏訪市)は10月10(火)11(水)両日、「SUWA×文楽2023」を岡谷市本町の照光寺で開く。国立文楽劇場で活躍する演者らが人形浄瑠璃文楽「本朝廿四孝(にじゅうしこう)奥庭狐火の段」を上演。同法人の髙見俊樹理事長は「諏訪大社や諏訪湖にゆかりのある演目を楽しみながら、地域の伝統や文化を感じてほしい」と呼びかける。
 昨年、諏訪神社(現諏訪大社)神宮寺ゆかりの仏像などを一斉公開した「諏訪神仏プロジェクト」の関連イベントとして、初めて計画。チケットが発売当日にほぼ完売するなど、再公演を望む声も多かったことから再び実施することした。
 諏訪地方を舞台に八重垣姫が、いいなずけの武田勝頼の危機を救うため冒険を繰り広げる恋の物語。八重垣姫の主遣い(おもづかい)は、国立劇場の文楽優秀賞を何度も受ける吉田勘彌さん(68)で、「諏訪が舞台なので、より身近に感じてもらえる。この地で八重垣姫を遣えるのが楽しみ」との思いを語る。
 上演前には、吉田さんや県出身の技芸員と八剱神社(諏訪市)の宮坂清宮司との対談、御諏訪太鼓の演奏(11日)なども。更に、若い世代に伝統芸能に関心を持ってもらいたいと、11日には諏訪清陵高校付属中学校で生徒を対象にした「伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段」の特別公演も企画する。「八百屋お七」の人形の衣装は、伝統的な藍染めと茜染めを用いた京鹿の子絞りで、吉田さんは「伝統芸能は伝統工芸の技術に支えられているという部分も感じてもらえたら」と願う。
 このほか、下諏訪町観光振興局(下諏訪町)と連携し、特別席での鑑賞や最終リハーサルを見られる1泊2日のツアーも販売中(申し込みは同振興局ホームページから)。
 公演は両日とも午後6時〜8時。チケットは5000円(全席自由)で、9月1日(金)午前9時販売開始。照光寺、旅館ぎん月(下諏訪町)、笠原書店(岡谷市)での直接購入か、オンラインストア(https://shiki-silk.stores.jp)で申し込む。問い合わせは、照光寺(電0266・22・2314)へ。(写真は八百屋お七の人形を遣う吉田さん㊨)