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ロンドン五輪競泳銅メダル 寺川綾さん下諏訪町で軌跡語る

2023年8月21日

230820町民講演会①
 下諏訪町は20日、元競泳選手でロンドン五輪銅メダリストの寺川綾さん(ミズノ)を迎えた町民講演会と、水泳教室を町内で開いた。ことし迎えた町制130周年の記念事業で、町が2019年にミズノスポーツサービスと連携協定を結んだ縁から、初めて講演会と教室を同時に開催。多くの人が寺川さんの話や実技指導を受け、オリンピアンに親しみ学びを得た。
 寺川さんは1984年生まれで、16歳で初めて日本代表に選出された。2003年のアテネ五輪では、200㍍背泳ぎで8位入賞。08年の北京五輪では出場権を逃すも、12年のロンドン五輪では100㍍背泳ぎで自己ベストを更新して銅メダルを獲得し、400㍍メドレーリレーでは第1泳者として銅メダル獲得に貢献した。
 町民講演会は「水泳から学んだ挑戦することの大切さ」を演目に総合文化センターで開き、250人が聴講。寺川さんは小児ぜんそくの治療目的で水泳を始め、バルセロナ五輪の水泳で金メダルを獲得した岩崎恭子さんに影響されて五輪出場を目指し、高校生の進路選択で本格的に競技を続ける決意をした。
 アテネ五輪では決勝に出ることを目標にして出場するも、周囲から「残念ですね」と言われたことに悔しさを覚えてメダル獲得を目標に。北京五輪の代表落選の悔しさから「やめないで—と言われる選手になりたい」と、ロンドン五輪優勝を目指してコーチを変え、世界舞台に返り咲いた。
 ロンドン五輪では、予選から五輪記録を更新するオーストラリアの選手がおり、準決勝後に「やってきたこと全てを発揮して銀か銅を狙う」ことに変更。決勝前、優勝を争う米国選手が疲れを見せていたところ、このオーストラリア選手が飲み物などを渡す姿があり結果、米国選手が優勝、オーストラリア選手が2位になったとの話もした。
 寺川さんは「五輪では、ライバルから人生の勉強もした。どんな状況でも周りを思いやれる人になりたいと思わされ、思い出のある銅メダルになった」と振り返り、「良いことも悪いこともある中で、悪いことに勉強すべき点がある。スポーツに限らず、何かヒントを得てほしい」と話した。(写真はロンドン五輪の銅メダルを披露する寺川さん)