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迫力の踊りで物語る 福島県などの小中高生が現代版組踊

2023年8月20日

踊り
 福島県奥会津の小中高生らでつくる現代版組踊(くみおどり)の「チーム息吹」の県内初公演が19日、伊那市の県伊那文化会館であった。300年前に会津地方で起きた農民一揆を題材にした「息吹〜南山義民喜四郎伝(みなみやまぎみんきしろうでん)」を、昼と夜の2回上演。53人が、迫力のある踊りや演技で物語を表現した。
 現代版組踊は、沖縄県の伝統芸能「組踊」に演劇やダンスなどの要素を加えたという舞台。今回の演目は、1720年に現在の南会津全域などの江戸幕府直轄地であった一揆「南山御蔵入騒動」を取り上げ、農民と代官の対立、後にこの騒動を聞いた会津藩9代藩主の松平容保の思いなどを描いた。
 息吹のほか、鹿児島県や沖縄県など他チームのメンバーもステージに立った。昼の公演には、約150人が来場。子どもたちの堂々とした演技に見入り、節目ごとに拍手を送った。演技の合間に披露された激しい踊りには、手拍子で答えた。
 公演は、上伊那地域の企業や団体でつくる信州上伊那次世代育成実行委員会が主催。実行委員長で、自動車整備、販売のオートパル上伊那(同市上牧)の林治男社長(63)が福島県で公演を見て感動したのが切っかけで実現した。林社長は「子どもたちが成功体験を味わえるような活動を続け、将来的には(現代版組踊の)チームも立ち上げたい」と話していた。
 公演はきょう20日にも同館であり、正午と午後5時からの2回。大人3500円、高校生以下1500円で当日券も用意している。(写真は激しい踊りなどで物語を表現した舞台)