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健康や安全を祈願 箕輪町で「おさんやり」

2023年8月17日

うえぶおさんやり
 箕輪町南小河内区で16日夕、町無形文化財に指定される厄よけの伝統行事「おさんやり」があった。コロナ禍明け最初の盆祭となった今回は巡航ルートを2キロに短縮、こぎ手の負担軽減でキャスターによる巡航を試行。50人ほどで威勢良く全長9メートル、高さ4メートルほどの「お舟」を担ぎ、地域の安全や区民の健康などを願った。
 おさんやりは、200年以上前から伝わる行事。地域で疫病が流行した際、天竜川に逆らって流れる区内の用水路「大堰」が原因と恐れられたことから始まったとされる。現在は区や町公民館分館、常会長などでつくる盆祭実行委員会が中心となり継承している。
 ポンプ車の先導で太鼓とお舟が続き、堂の前—生活センター—山本小路—セメント橋—町小路—堂の前のコースを巡航。途中のつじでは「よいそれ節」なども披露した。区内を巡った後、堂の前から殿屋敷小路までの往復150メートルほどは旧来通り、白装束の区民がお舟を担いだ。
 巡航に先立ち、実行委の会長・赤羽哲則区長は「4年ぶりに旧来に近い祭りを再開できてうれしい」とあいさつ。実行委員長の青柳文人分館長は、キャスター導入など新たな取り組みを「担ぎ手減少などある中、時代に即した形にして地域伝統をつないでいきたい。来年は本来のルートを回りたい」と話した。
(写真は、区内を巡航するお舟)