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地蜂の巣探す「すがれ追い」体験〜伊那谷の伝統継承へ〜

2023年7月25日

すがれ追い230723
 地蜂(クロスズメバチ)を追いかけて地中の巣を探す伊那谷伝統の「すがれ追い」を体験する大会が23日、伊那市のますみケ丘平地林であった。飼育や食文化の継承に取り組む同市地蜂愛好会が企画し、会員を中心に約50人が参加。蜂に付けた目印を頼りに「追え、追え」と声を響かせて森林を走り回り、地域の文化に触れた。
 事前に木の枝などに餌となるイカの切り身をつるして、蜂をおびき寄せた。参加者は食い付いたのを見計らい、目印の糸を付けた別の餌を慎重につかませて、巣に持ち帰るところを追って場所を探し出した。
 蜂追いはグループごと体験した。蜂が餌を抱えて飛び立とうとすると、会員らが「準備はいいか。そろそろ飛ぶぞ」と合図。見失わないように、やぶを気にせず、地面の勾配でバランスを崩しながらも猛ダッシュした。
 研究で訪れた法政大学4年の矢代直輝さん(23)=千葉県=は「穴もあり、地面を見ながら追うというのは一筋縄ではいかない。伝統を守る人の思いや、継承する大変さなどを知ることができた」と振り返った。
 見付けた巣は2個。共にソフトボールほどの大きさだったといい、蜂を飼育していない会員らで分け合った。10月下旬には巣の重さを競う恒例の「地鉢の巣コンテスト」を計画しており、出品に向けて育ててもらう。
 同会には市内を中心とした愛好家ら43人が所属し、大会は伝統を後世に伝える目的で毎年計画する。山口政幸会長(74)は「昆虫食は見直されてきている。これからも続けて、魅力を伝えていきたい」と話していた。
(写真は、蜂を追う参加者)