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防災へ体験語り継ぐ 湊小で災害の記憶伝え

2023年7月20日

ネット230719湊小豪雨災害の日
 岡谷市内で8人の犠牲者を出した2006年「七月豪雨」の発生から、19日で17年が経過した。災害の体験や記憶を風化させずに後世に引き継ぐため、市は同日を「市防災の日」に位置付ける。発生当時、避難所となった湊小学校の体育館では、災害の記憶を伝える集会があり、同校の全校児童89人が市危機管理室職員による出前講座で、自然災害に備えることの大切さを学んだ。
 市内各地で起きた土石流により湊地区で7人、川岸地区で1人の命を奪った災害。同校では毎年、子どもたちに災害の記憶の伝承と防災・減災について考える機会とするため、市防災の日に合わせて集会を開く。
 なだれ込んだ土砂や被災した家など、普段、見慣れた景色とは一変した地域の様子を写真や映像で見た児童は、災害の恐ろしさを改めて心に刻んだ。市職員は「一つしかない命を守るため、どこに避難するかを家族で話したり避難訓練に参加したりすることが大事」と強調。藤森東校長は06年当時、4年生が音楽会で歌った曲「おそすぎないうちに」の歌詞の一部を紹介し、「『おそすぎないうちに、まにあう今のうちに、できるかぎりのことをしよう』。まずは自分の命をどうやって守るかを自分で考える力を付けよう」と呼びかけた。
 最後は全員で犠牲者へ黙とうをささげ、6年1組の男子児童(11)は「大きな災害で大変な人が多かったと思う。まずは焦らずに自分で行動することが大事だと感じた」と話していた。
(写真は、真剣な表情で話を聞き、メモを取る児童たち)