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箕輪南宮神社で4年ぶりに稚児の鹿頭踊り

2023年7月11日

元・南宮鹿頭踊り230709
 箕輪南宮神社(木下)の夏の例大祭は、9日に本祭りが行われた。雨乞いの神事「鹿頭踊り」や、ご神体を三日町の秋宮に移す「遷座神輿」などが4年ぶりに古式にならって営まれ、地域の五穀豊穣(ほうじょう)などを祈った。
 鹿頭踊りは、鹿の頭を模したかぶり物を稚児が身に着けて区内を練り、神社に納める神事。1558(永禄元)年の干ばつで、箕輪城主が同神社に鹿頭を奉納して雨乞いしたのが始まりとされる。1977年に町無形文化財に指定された。
 箕輪町と南箕輪村、伊那市にあった「旧箕輪郷」に伝わり、「大」「福」「富」の文字が付く6地区が、天竜川の西側と東側で1年ごとに担当する。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ここ3年間は役員のみで営んでいたが、ことしは箕輪町富田、南箕輪村大泉、伊那市大泉新田、大萱の21人の稚児がかぶった。
 保護者や役員ら総勢60人が行列で木下区内を練り、同神社へ。大鳥居で奉納を記した言上書(ごんじょうしょ)を代表が総代に手渡し、行列は境内へ。太鼓の音に合わせ、神殿前を左回りに3周した。本殿での神事には4区の区長らが参列し、神前に玉串をささげた。
 南箕輪村大泉の瀬古杏珠ちゃん(6)は、父親の智大さん(39)と参列。「重かった」と言いながらも、大役を終えて一安心の表情。智大さんは「伝統ある祭りに参加できて良かった」と喜んでいた。総代会長の熊谷修さん(64)=木下=は「大雨にならず無事、伝統をつなぐことができた」と話していた。
(写真は、神社境内で鹿頭を奉納する稚児たち)