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「人とのつながり大切に」辰野高校創立110周年記念で小平奈緒さん招き講演会

2023年7月2日

HP小平奈緒講演会写真2
 辰野高校創立110周年を記念した講演会(同校同窓会主催、たつの新聞社など後援)が1日、辰野町民会館であった。元スピードスケート選手で、平昌五輪女子500㍍金メダリストの小平奈緒さん(37)が「人とつながる」をテーマに講演。自らの競技人生をたどり、心を豊かにしてくれる人と人のつながりの大切さを強調した。
 小平さんは3歳でのスケートとの出合いから話をスタートさせ、長野五輪の観戦を切っかけに固めたスケートに打ち込む決意や、練習で仲間と互いを高め合った学生時代、2年間のオランダ留学で気が付いた自分の意思を持つ大切さ、ライバルは敵ではなく同志と考えていた平昌五輪、と時代を追って競技人生を回顧。人との出会いから多くの学びを得てきた、と振り返った。
 昨年の引退レースでは台風災害で被災した長野市の果樹農家への思いを込め、来場者に千個のリンゴとマップを配ったエピソードなども紹介。「誰にでも必ず寄り添って応援してくれる人がいる。自分も誰かを信じて見守れる人になり、たくさんの心を動かしていきたい」と述べ、人と人が互いに共鳴して生きていく重要性を指摘した。
 来場したのは学校関係者や一般住民ら合わせて約500人。講演終了後は質疑応答があり、小平さんは会場の質問に笑顔で対応。「500㍍という種目の魅力は」の質問には「一瞬のミスも許されない。そのスリルと面白さで奥が深い」、「病気やけがをしたときはどう気持ちをコントロールしたらいいか」という問いには「まずそれを受け入れれば、心が前を向くはず」などと答えていた。
(写真は、「人とつながる」をテーマに思いを語る小平さん)