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JR川岸駅 地元に愛された駅舎と別れ

2023年5月16日

ネット230514川岸駅舎お別れ会
 岡谷市のJR中央東線川岸駅で14日、「駅舎お別れの会」が開かれた。あいにくの雨にもかかわらず、約250人の市民が参加。間もなく建て替えのため取り壊されるのを前に、1923(大正12)年10月の駅開業時から、1世紀にわたって川岸地区の玄関口として地域の発展を見守ってきた駅舎に感謝し、別れを告げた。
 川岸5区の区長らで構成する「川岸駅を守る会」などでつくる実行委員会が主催。あいさつに立った鮎澤要一委員長は「通勤や通学でお世話になった人は多い。100年、私たちを見守ってくれた駅舎に感謝し、心からありがとうと言いたい。10月に完成する新しい駅舎も、多くの人に愛され、長く利用されることを願っている」と、地域を代表して感謝の言葉を述べた。
 山口雅人岡谷駅長は「地元主体のお別れ会は珍しい。地元に愛された証だと思う。新しい駅舎も皆さんに愛される駅舎を目指していく」とあいさつ。来賓を代表して今井竜五市長も「川岸地区や岡谷市の製糸業発展の中で大きな役割を果たしてくれた駅。長い間地域のために働いてくれたことに、現駅舎には本当に感謝したい。地元の皆さんには今後も川岸駅を大切にしてほしい」と呼びかけた。
 アトラクションとして川岸公民館の学習グループ「ウクレレオハナ」が、ウクレレで「ふるさと」や「線路は続くよどこまでも」などを演奏。最後は今井市長と山口駅長が、繭をデザインした「川岸駅」の駅名標を取り外して、駅舎に別れを告げた。運よく雨がやんだ終了後は、駅名標を中心に参加者全員で写真撮影に臨み、歴史の一幕に立ち会った記念とした。
 天竜町から訪れた岡谷南部中2年の男子は「鉄道は乗るのも写真を撮るのも好き。貴重な古い駅舎がなくなるのは寂しい」と話していた。
 (写真は、外した駅名標を中心に記念写真に納まる参加者)