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岡谷市議選 1届かず「定数割れ」 なり手不足、関心低下深刻

2023年4月18日

 16日告示された岡谷市議選(定数18)。出馬を表明していた16人のほか、締め切り直前に滑り込みで1人が届け出を済ませたものの合計は17人にとどまり、1936(昭和11)年の市制施行以来初の定員割れは避けられなかった。一時、現実味を帯びた「50日以内の欠員分の再選挙」は免れたものの、議員のなり手不足や市政への関心低下などの問題を改めて顕在化させ、静かに幕を閉じた。
 「告示直前まで候補者全員の名前が見えず、不安はあった」。遊説を終えた16日、無投票で3選を知った今井康善氏(56)は今回の選挙を振り返るとともに「切磋琢磨(せっさたくま)して議員力、議会力を上げる環境をつくることが市民のためになる。そのために力を尽くしたい」と語った。2選となった中島秀明氏(67)も「複雑な心境ではある」と吐露する一方、「次の4年間のチャレンジの機会を与えられたことに感謝したい」とした。
 危機感や活力低下などの懸念から、ぎりぎりで立候補の動きが複数表面化。一方、ポスターを貼る街頭の看板には空きが目立ち、この日のために支援者らと共に時間をかけて準備してきた当選者の中からは疑問や怒りに似た言葉も。再選した現職の一人は「本当に選挙を戦う気があったのかと思えてしまう。街頭から訴えることもせず、議員になって何がしたいのか伝わらない」と憤った。
 低調さの背景としては、新型コロナに伴う地域のつながりの希薄化や市長選の動向など、さまざまな要因が指摘され、県内19市で唯一、選挙公営費が用意されていないことを挙げる声も。実際、組織や資金がない候補者からは「ポスターを印刷しなくて良かった」との本音も聞かれた。このことについては昨年、議会から市選管に改善要求が出されており、事務局は「データを集めるなど、真っさらな状態で検討を進めている。初の定数割れという事実も当然、加味していく事項になる。いずれにしても民意が大事だ」と強調した。
 さまざまな思いが交錯する中、新たな17人で動き出す市議会。これまで通りにいけば、まず5月に臨時会が開かれ、正副議長や委員会構成などが決まる。改選前の現職の半数が引退し、このうち保守系会派「令明おかや」は田村みどり氏(59)を除く5人が不出馬。田村氏は「ぎりぎりで決断を聞いたので戸惑っている。理念を共有できる人と活動を共にする考えはある」、別の現職も「意見交換し、理念を共有できれば現新問わず手を取り合っていく」と話すなど今後、どういう塊をつくっていくかの動きが活発になりそうだ。