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小学生の映画完成近付く 試写会で是枝監督が講評

2023年2月15日

城南小試写会
 城南小学校6年1部の28人が昨年4月から製作してきたオリジナル映画3本が完成に近づき、14日、岡谷市の岡谷スカラ座で保護者向けに試写会を開いた。映画「万引き家族」などで世界的に知られる是枝裕和監督(60)も駆けつけ、「それぞれに特徴があって面白かった。見た人に意見を聞いて、もっと良くなるように頑張って」と激励した。
  総合的な学習の時間に、アクション、ホラー、ファンタジーの3チームに分かれて製作に挑んだ。昨年10月には、是枝監督が新作映画「怪物」(6月2日公開)を同校や旧城北小など諏訪地方で撮影した縁で特別授業を行い、ストーリー構成や演出技法、カメラワークなどをアドバイス。11月に校内や市内の寺、神社、路地などで撮影を開始し、映像の編集も自分たちの手で行った。
 1作品の上映時間は約12〜17分。このうちホラーの「攫(さら)い人」は、都市伝説を確かめに夜の校舎に忍び込んだ子どもたちが幽霊と遭遇するストーリーで、出演者が自らカメラを持つ『自撮り』を効果的に使うなど怖さを演出する工夫が凝らされた。製作チームの児童は「暗いので懐中電灯を上に向けて撮影したり、叫び声や血のりを使ったりして頑張った」と話した。
 是枝監督は「カメラを安定させる工夫や面白い演出もたくさんあった」などと評価し、「カット間のフェードイン、フェードアウトは少ない方が見やすい。聞き取りにくいせりふや、足音などの音を後から別に録り直すともっと良くなる」と講評した。取材には「自分の作品を初めて劇場にかけてもらったときのわくわくを思い出した。この経験を機に映画館に足を運ぶ子が増えればうれしい」と語った。
 完成した作品は、3月4日(土)午前9時からと10時半から同校体育館で上映する。誰でも鑑賞できる。(写真は、是枝監督㊨の講評に耳を傾ける児童)