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伝統の「火祭り」15年ぶりに 岡谷市湊の浅間神社

2026年10月26日


 岡谷市湊の浅間神社の10年に1度の伝統行事「火祭り」が24日夜、地元小坂区内で行われた。朝から降り続いた雨の影響で、浅間山頂上の神社へ登る本来の形は断念。区民ら約200人がたいまつを手に、祭壇を設けた参道入り口近くの広場を目指して歩いた。 
 区などによると、江戸時代後期に富士浅間神社から勧請(かんじょう)され、火難よけや安産、子宝の神とされる木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祭る。火祭りは姫が産屋で火に包まれながら皇子(みこ)を産んだとの伝承に由来するとされ、五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛、地域の繁栄などを願って行う。
 かつては60年に1度、庚申(こうしん)の年に行ったが、継承が困難として1980年を境に10年ごとにしたとみられる。前回は2011年で、次は本来21年だったが新型コロナ禍で断念。以降も諏訪大社御柱祭や、同社下社夏の遷座祭「お舟祭り」への奉仕が続き、区民の負担を考慮して見送っていた。四つの町内から選出した委員約40人でつくる祭典委員会が主催した。
 中央道諏訪湖サービスエリア北西の栃久保地籍で開いた出発式には、子どもを含め法被姿の多くの区民が集まった。祭典委副委員長の花岡哲夫副区長(72)の開祭宣言に続き、祭典委員長の田中邦夫区長(73)は「前回に負けないよう、いい祭りにしましょう」と呼びかけた。
 参加者は、湊木遣保存会員が鳴くのに合わせて「よいさ、よいさ」と声をそろえ、市消防団第7分団ラッパ隊の吹奏が響く中で出発を待った。行列が動き出すと、諏訪湖周の夜景を背に、山に向かってオレンジの明かりが連なった。
 祭壇での神事では、神職が祝詞を奏上し、代表者が玉串をささげた。終了後は同所で直会(なおらい)が開かれ、参加者は酒や食事を囲んで無事終えられたことを喜んだ。
 湊木遣保存会員(岡谷南部中学校1年)は「大事な出発式で鳴くことができて、うれしかった。次は(おんべではなく)たいまつを持って参加してみたい」と話した。田中区長は「無事に終えられて安心した」とほっとした表情を見せていた。
(写真は、たいまつを持って進む区民ら)