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書作70年の足跡たどる 吉澤大淳さん個展 松本で13日まで

2026年9月10日


 日展特別会員、読売書法会参事、県書道協会長で本紙など主催「書き初め大賞」の審査常任委員長も務める書家・吉澤大淳さん(81)=下諏訪町=の個展が9日、松本市美術館で始まった。大きさも書体も多様性に富む計55点を展示。「育ててもらった書道界にお礼の意味を込めた」という”最初で最後の個展”で、筆を執ってから70年の足跡を紹介する。
 吉澤さんは東京大学教授の今道友信さんの推薦で美学会会員となり、東大美学芸術学研究室で美学や哲学を学んだ。1972(昭和47)年には、書家の成瀬映山さんに師事。81(同56)年に会社勤めを辞め、「楷・行・草・隷・篆・調和体のさまざまな可能性を模索し、自らの個性ある書を創り上げたい」と、書の道に一層、心血を注ぐようになった。
 会場には初日から地元はもちろん、東京などからも仲間や教え子らが続々と訪れた。
 古代文字で「馬」としたためた作品は、90センチ×180センチ。シドニー五輪(2000年)を記念したイベント「ザ・祭り イン シドニー」で揮毫(きごう)した。作品そのものが馬が駆けるような造形でしたためられ、海外から来場した人もその表現を食い入るように見つめた。
 吉澤さんは「小さなものから大きなものまで、書体もさまざまにまとめた」とし、「同じ作品でも、見る方によって感じ方は違うと思う。それぞれの感性で1点ずつじっくりと味わってもらえたら」と来場を歓迎する。
 「書 文字文化の継承 吉澤大淳 書展」として13日(日)まで。会場は館内の市民ギャラリーで、同展のみの入場は無料。時間は午前10時〜午後5時(最終日のみ4時)。
(写真は、シドニー五輪を記念したイベントで揮毫(きごう)した作品「馬」と、吉澤さん)