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地域の宝守り継ぐには 全文連が上社本宮で研修会

2026年9月5日

 
 国宝や重要文化財の所有者らでつくる「全国国宝重要文化財所有者連盟」(=全文連、京都市)の研修会が4日、諏訪市の諏訪大社上社本宮であった。会員ら約90人が参加し、保存修理の専門家の講演に耳を傾けたほか、修理工事中の大社の重要文化財建造物を工事担当者の解説付きで見学。地域の宝を守り継ぐ大切さを共有した。
 全文連は、文化財の保存と活用に関する事業を推進し、国の文化発展を目指して活動する全国組織。研修会は春と秋の年2回開き、今回は幣拝殿をはじめとする重要文化財建造物に計16棟3基が指定される同社本宮を初めて会場に選んだ。
 講演では、文化庁建造物課文化財調査官の石田陽是さんが「近代以前造立の石造物(建造物)の保存修理」と題し、石鳥居を例に保存修理の流れを解説した。後半は、本宮で工事を担当する文化財建造物保存技術協会(文建協)設計監理事務所の園田誠嗣所長が、建造物の概要と修理方法などを説明した。
 全文連の落合偉洲理事長(79)は「全国の所有者が結集する唯一の団体。毎年開催する研修会で文化財への理解を深め、より良い修理、保存、活用に取り組んでほしい」と話し、大社の村上益弘宮司は「(諏訪大社には)重要文化財が数多くある。私たちには未来に、現在、過去の物をつないでいく役割がある。研修会が充実したものになるよう祈念する」とあいさつした。

補修中の屋根を間近で 工事進む「神楽殿」見学も

 研修会では、2019年から3期に分けて修理が進められている本宮境内の国重要文化財の見学があった。24年4月から第3期として5棟の修理が本格的に行われ、現在、修理が進められている「神楽殿」を園田所長の案内で見て回った。
 神楽殿は地盤沈下が問題となっているため、建物をそのままの状態で移動する曳屋(ひきや)をし、地盤強化と傷んだ材の修復をする。会員らは建物全体の様子を確認したり、足場に上って補修中の屋根部分を間近に見学した。
 大社や文建協によると、今回の保存修理工事は計11棟で行われ、既に8棟は完了。28年度中に残る神楽殿と天流水舎、銅鳥居の修復を終える予定。
(写真は、保存修理工事中の神楽殿の屋根部分を見学する会員ら)