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「琵琶湖周航の歌」100年 滋賀での式典参加

2017年6月27日

HP知事と歌170626
 岡谷市湊出身の小口太郎(1897〜1924年)が作詞した国民的な愛唱歌、「琵琶湖周航の歌」が誕生して100年。100周年記念式典が24日、滋賀県高島市今津町であった。岡谷からは小口太郎碑顕彰保存会の会員ら32人が参加、歌を通してゆかりの地と交流を深めてきた。
 歌は、1917(大正6)年6月28日、旧制第三高(現京都大学)水上部員だった小口が、琵琶湖を巡る周航2日目の今津の宿で披露。当時の流行歌、「ひつじぐさ」のメロディーに乗せて歌ったのが始まり。諏訪湖周辺などふるさとへの思いも込めたとされる。
 式典には、岡谷、原曲者吉田千秋を顕彰する新潟市の30人を含む約600人が参加。研究者が講演で、「原曲は賛美歌。小口さんの仏教的な歌詞と出会って宗教曲となった。歌い終わった後癒やされる」と100年歌いつがれた理由を話した。最後に参加者全員で大合唱した。
 夜は滋賀、長野、新潟3県の関係者120人が懇親。生前互いに会うことがなく共に早世した小口太郎と吉田千秋のおいとめいがゲストに招かれ、初対面する場面もあった。
 今津港周辺の街中散策や歌資料館、翌日は10キロ離れた竹生島を観光。今津港と竹生島の歌碑前では、岡谷の参加者全員で6番まで歌った。今津港では偶然訪れた三日月大造滋賀県知事(46)が一緒に合唱。「小口太郎さんは100年後ふるさと岡谷の人がここに来て歌うとは思いもしなかったでしょう。歌を通して長野とのつながりも大事にしたい」と話した。
 保存会の会長(70)は「琵琶湖周辺で、歌をまちおこしの中心に据え、大事にしているのを見てうらやましく思った。来年は顕彰碑ができ30年、生誕120年の記念の年なので、記念式典を考えている。良い歌なので大事にし広めていきたい」と思いを込めた。

(写真は、三日月滋賀県知事=中=を囲み、今津港の歌碑前で「琵琶湖周航の歌」を歌う顕彰碑保存会の会員ら)