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絵雑誌の創作活動に焦点 イルフ童画館で武井武雄の原画展

2026年6月4日


 イルフ童画館で、岡谷市出身の童画家・武井武雄(1894~1983年)の絵雑誌原画を集めた収蔵作品展が開かれている。戦後に発表した多くの作品の中から、原画40点を11の雑誌ごと展示。敗戦を経て、子どものためにと精力的に創作活動に打ち込んできた武井の心情を個性豊かな絵と共に紹介している。16日(火)まで。
 同館によると、1926(大正15)年の幼稚園令施行で保育の項目に「観察」が加わったことで、絵雑誌には科学的な要素が盛り込まれるようになった。観察に片寄って図鑑のようにならないよう、武井は相反する空想を織り交ぜて子どもに受け入れられる絵を生み出したという。
 キンダーブック(フレーベル館)のコーナーで展示される「たんぽぽのたび」(47年)も、そうした武井の考えが現れた作品。擬人化されたタンポポの綿毛がさまざまな所に飛んで咲いたり、動物と出合ったりする様子が表現されている。
 同館には武井の水彩画が2000点ほどあるが、ほとんど戦後に描かれたという。学芸員の河西見佳さんは、敗戦を迎えた後の武井が「力を尽くし、いかに戦後の子どもたちに夢や希望を与えようとしていたか絵の数や丁寧さからよく分かる」と語る。会場には、武井がその日あったことや考えたことを記した「気儘画帳(きままがちょう)」で、終戦以降の心境を描いたページもパネルで展示している。
 水曜休館。午前9時〜午後6時(受け付け5時半)。入館料は一般520円、中高生310円、小学生160円。問い合わせは同館(電0266・24・3319)へ。
 (写真は、武井の戦後の絵雑誌原画が並ぶ会場)