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弁天島ゆかりとの言い伝え 伐採ケヤキで臼ときね

2026年3月7日


 諏訪湖に存在した「弁天島」ゆかりとの言い伝えがあるケヤキを使い、ビルメンテナンス、環境リサイクル事業などのアイ・コーポレーション(事業本部・岡谷市神明町)が臼ときねを作った。同社が事務局を務め、諏訪湖浄化に取り組むボランティアグループ「湖の驛(うみのえき)プロジェクト」が企画。地域で餅つきを見る機会が減る中、希望する人や団体に貸し出すことで伝統をつなぎ、「杵臼之交(しょきゅうのまじわり)」の故事成語に倣って交流の促進にも寄与したい考えだ。
 同グループによると、湖水の流れを妨げる弁天島はたびたび氾濫の要因となり、1868(明治元)年の大洪水を契機に各村が協力して撤去。その際、島のケヤキは苗木として受け継がれた。岡谷市湊の県道岡谷茅野線沿いに植わる数本も、その流れをくむとの言い伝えがあり、交通への支障から1本が伐採されると聞いた同社の花岡潤会長が、管理者の県に要請して譲り受けた。
 同社の創立50周年に位置付け、臼のほか、きねは枝を有効利用して子ども用も製作。2月27日には、同社の事業を担ってもらっている福祉施設のうち、招待に応えた2施設の約20人が社員らと共に餅をつき、出来たてを囲んで会食を楽しんだ。きねを振り下ろすたび、周囲からは「よいしょー」と掛け声も飛び交うなど盛況。用意したもち米15キロは次々に餅へと姿を変え、一口大にちぎってあんこ、ごま、きな粉などで味付けした。
 湖の驛プロジェクト代表でもある花岡会長は「個人や家庭で伝統を守るのは難しい時代かもしれないが、グループであればそれができる」とした上で、「にぎやかな雰囲気で、やって良かった。きょうのように伝統から、新たな交流が生まれれば」と期待した。
 貸し出しに関する問い合わせは同社(フリーダイヤル0120・541・656)へ。
(写真は、完成した臼ときねで餅つきをした=2月、アイ・コーポレーション事業本部で)