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神前に「明けの海」奉告 八剱神社でしめ縄焚き上げ

2026年2月15日


 諏訪湖面を覆った氷が割れてせり上がる「御神渡り」の判定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市小和田)で14日、今季の結果を神前に伝える「御渡注進奉告祭」が営まれた。宮坂清宮司(75)は8季連続で御神渡りがない「明けの海」となったことを奉告するとともに、平穏な世の中になるよう願った。
 今季の観察は「小寒」の1月5日に開始。結氷と解氷を繰り返す日が続き、二十四節気で最も寒いとされる「大寒」の20日は波が立ち薄氷もなかった。26、27両日には3季ぶりに全面結氷となり、岬付近は10人ほどが乗れる厚い寄せ氷ができたが、その後は波、風に押されて徐々に後退。湖心は解氷が続き「立春」の2月4日に観察の区切りを付けた。
 奉告祭に先立ち、同神社に仕える「諏訪八剱太鼓保存会」が神楽殿で奉納演奏。神事には、氏子総代や古役ら約40人が参列した。宮坂宮司は拝殿で祝詞と共に「ことしの諏訪の湖は1月26日に全面結氷するも寒気続かず、やがて解氷し、小波の打ち寄する明けの海にて御渡無御座候(みわたりござなくそうろう)」と奉告した。
 終了後、境内で御神渡り出現時に拝観式で1人ずつ肩かけして使う予定だったしめ縄85本を焼く「お焚(た)き上げ」も行われ、参列者は炎を見届けた。
 8季連続の明けの海は、1507(永正4)〜14(同11)年と並んで過去最長。宮坂宮司は「室町時代のことを参考にするとは夢にも思わなかったが、先祖が書き残してくれた伝統、歴史の重みを感じた」とした。昭和後半以降、明けの海が増えていることに「さまざまな要因があると思う」とし、「諏訪湖を取り巻く生活者一人一人に『謙虚になって自然と接しなさい』と警鐘を鳴らしていると湖面を見ながら感じた」と観察を振り返った。
 岡崎広幸大総代(64)は「次の年に御渡りができればとの思いで精進していきたい。観察に関心を寄せていただいた全ての人に感謝したい」と話した。
 同日、総代らは諏訪大社上社本宮(同市)で御渡注進式に臨み、「御渡注進状」を奉奠(ほうてん)して玉串をささげた。(写真は拝観式で使う予定のしめ縄を焚き上げ、炎を見守る宮坂宮司=左から5人目=ら)